ライセンスフリー無線※とは、免許や資格が不要で使用することができるトランシーバーで業務用途でもホビー用途でも使用可能です。下記に分類される技術基準適合証明を受けたトランシーバーは免許が不要です。難しい知識を必要とせずトランシーバーを扱うことができます。安全に使用できるように空中線電力が弱いなど制限が多くあります。この制限の中でより遠くへ飛ばすためテクニックや山に登るなど努力も必要です。

市民ラジオ 27MHz帯 0.5W
特定小電力無線 400MHz帯 0.01W
デジタル簡易無線登録局 351MHz帯 5W
デジタル小電力コミュニティ無線 140MHz帯 0.5W

 インターネットが普及している現代、繋がるのが当たり前ですがライセンスフリー無線はネットや電話とは全くの別物で、電波を飛ばしてその電波をキャッチしてくれる相手と通信を楽しむ趣味です。自分のトランシーバーから発射された電波が空間を伝わりキャッチしてくれた同じ趣味の相手に声が届き偶然つながると言う奇跡を楽しむことができます。有線とは違い無線は確実では無いところも無線趣味のおもしろいところです。

■市民ラジオは、昭和36年に制度化されたました。当時は免許申請が必要で無線機1台毎に免許状が発行されていた。昭和57年に免許制度が廃止されて技術基準適合証明を受けた無線機は申請が不要になりました。呼出符号の付与も無くなりました。トランシーバーに備え付けされたアンテナのみ使用可能で、空中線電力は0.5ワットまでとなっています。外部アンテナやアースの設置は認められていない。短波帯の周波数を使用しているため、電離層に反射して突発的に1000キロ以上離れた相手と交信できることがあり人気がある。海外ではCB Radioと呼ばれていますが日本では市民ラジオや市民無線と呼ばれてます。

■特定小電力無線は、平成元年に制度化されました。420/440MHz帯を使用しているため、10センチ前後の短いアンテナでも効率よく送受信できます。空中線電力が0.01ワットで弱いため近距離連絡用としてあらゆる業種で使用されています。同時通話の機能を持つ機種もありクレーン作業等でも使用されています、また中継機能を使用できる機種もあり通話距離を2倍に延長させることができる。通話できる距離は数百メートルとされているが見通しが良ければ数百キロ離れた相手と交信できることがあり山岳で遠距離交信に挑戦するなど人気があります。特定小電力無線は特小と略しています。

■デジタル簡易無線は、平成20年に制度化されました。免許は不要ですが事前に登録申請や電波利用料の納付が必要です。車載型のトランシーバーも販売されており指定の外部アンテナも使用可能です。空中線電力が5ワットまで許可されています。デジタル通信方式が採用され通話音声には雑音がなく音質が良いとされています。秘話機能が使用することで傍受されにくい特徴があります。許可されたアンテナにはホイップアンテナだけでなく八木アンテナを使用することができます。特定小電力無線では交信できない広範囲のエリアがカバーできます。移動運用だけでなく基地局として家にアンテナを設置して交信を楽しむ方も多いです。山岳移動では数百キロ離れた相手と交信することが可能です。デジタル簡易無線は免許局と登録局がありますが、ホビー用途で使用できるのは登録局です。デジ簡DCRと飛ばれています。

■デジタル小電力コミュニティ無線は、平成30年に制度化された新しい無線です。元々、動物を監視する無線として周波数割当がありましたが電波法が改正され動物以外の生体も対象になりました。トランシーバーからは位置情報の送出が義務付けされています。142/146MHz帯に割り当てがあり空中線電力は0.5ワットです。指定のアンテナに限られますがアンテナを交換することができます。トランシーバーからGPSデータが送出されるため受信者には位置情報が表示されます。場所を特定されるため使用には注意が必要ですが、相手局との交信距離や方角がわかるためホビー用途では楽しく交信できます。正式名称が長いのでデジコミと呼ばれてます。

※ライセンスフリーラジオやフリーライセンスラジオと表記されることもありますが、このブログではライセンスフリー無線に統一して表記しています。